白馬に乗った王子様がいつか私を迎えにきてくれる・・・
普段は終電間際の居酒屋で店員に上司のグチをこぼしている私ですが、実は密かにこんな乙女チックな夢を抱いていたりします。
24歳にもなってこんな現実逃避をしているのは、私をとりまく荒んだ東京のせい!朝の満員電車ではポマードくさいオヤジに足をふまれ、あげくには荷物が邪魔だと悪態をつかれる。会社につくなり「顔むくんでるよ」と、イケメン先輩社員からグサっと一言。そりゃあ、夢の一つも見たくなりますよね。
実は今回の映画はアニメーションで描かれるおとぎの世界と、実写で描かれる現実の世界-NY-が舞台のお話。まさに夢と現実が交差する、今の私を表すのに相応しい映画というわけ。たまに実写とアニメが入り混じった映画がありますが、さすがディズニー!おとぎの国の主人公“ジゼル”が、素敵な王子様と結婚するのを阻止するために邪悪な王女に『現実』の世界であるNYに追放される、という無理やりな展開をファンダジーで違和感のないものに仕上げています(笑)。
登場人物もベタなキャラのオンパレードで、妙にハイテンションな王子、邪悪な女王(継母)・その王女にゾッコンの家臣など・・・。それとは対象的にNYではバツイチ子持ちの離婚弁護士“ロバート”がいかにも『現実』の人物らしいキャラを好演しています。
『現実』の舞台はNYですが、これを東京に置きかえても同じこと。夢など見るだけ無駄、現実的にならないと痛い目を見る、こういう性格の人って私を含めてですが多いはず。しかし、そんな性格のロバートがひょんなことからジゼルと出会うことで、物語の大きなターニングポイントを迎えることになるんです。
おとぎの国では“怒り”や“浮気・不倫”なんて存在はしませんが、現実の世界では日常茶飯事。ジゼルは“永遠の愛”や“真実”を懸命にロバートに伝えようとするシーンでは、都会の厳しさを知りすぎている現実人間にとっては皮肉ささえ感じてしまいます。ジゼルが必死になればなるほど理想と現実が空回りする、これには多くの人が過去の自分とリンクしたことでしょう。しかし、心のどこかではジゼルのような存在を求めているのかもしれません、いつかはこんな私を変えてくれる“永遠”のものを分かちあえる人に巡り会えると。
この映画のロマンチックなところは、『現実』を悪いままでは終わらせないところにもあります。主人公がアニメの世界に戻れれば全ては元通りになりますが、ジゼルもロバートの隠れた優しさに触れていくたびに気持ちに変化が現われてくるのです。
おいおいっ、あなたには素敵な王子様がいたはずでしょう!と、ツッコミを入れたくなりますが(笑)、これが『現実』の世界にいる証拠。現実では様々な感情が渦巻いているのです。それによって“裏切り”や“トキメキ”なんてものもあるわけですが、出会って次の日には結婚してしまうおとぎの国では有り得ないことが、この『現実』では当たり前に起こるのです。そう思うと、決まりきったストーリーで素敵な王子様と結婚するよりも、ケンカしながらも、相手をいとおしいと思える瞬間を楽しんだほうがよっぽど人間らしい、と思えるようになるから不思議!
相手のイヤなところを見つけたら、好きなところをその倍見つければいい。
関係が冷えてきたらとびっきりのデートをして、相手を今よりももっと好きになればいい。
こんな簡単なことを映画から気付かされた私にとっては、現実もそれほど悪いものじゃない、久しぶりにそんな風に思える映画となりました。
『魔法にかけられて』
監督: ケヴィン・リマ(「ターザン」「102」)
脚本: ビル・ケリー
音楽: アラン・メンケン(「美女と野獣」「アラジン」)&スティーヴン・シュワルツ
キャスト: エイミー・アダムス、パトリック・デンプシー、ジェームズ・マースデン、スーザン・サランドン
2008年3月14日(金)より全国ホワイトデーロードショー!
オフィシャルサイトURL
http://www.disney.co.jp/movies/mahokake/index.html |